創栄図書印刷株式会社 | 『本の歴史』を調べてみた⁉

『本の歴史』を調べてみた⁉

2024/07/30

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こんにちは…第一製造部 IRIMOです。
今年も、猛暑がやってまいりました。
無理をしないようにと思いつつ、無理をしてしまいがちですが、水分・食事・睡眠をしっかり摂って暑さ対策を万全に!
今年は、オリンピックもありますよね~!
バテてる場合じゃない笑! 夏をしっかり楽しみたいですね♪

さて、今回は、「本の歴史」について探ってみました。
いざ、タイムスリップ! どんな結末となりますやら…

○呼称の由来

漢字の「本」という文字は、樹木の根もとを意味しているようです。「木」という漢字の中心線の部分のやや下寄りのところに短い横線で印をつけることによって その部分を指し示しています。日本では、「ものごとのおおもと」という意味を表すようになったそうです。

また、英語の「book」、ドイツ語の「Buch」は古代ゲルマン民族のブナの木を指す言葉が由来なのだとか。そして、フランス語の「livre」、スペイン語の「libro」はもともとラテン語の木の内皮(liber) という言葉から来ているようです。大昔にそうした木の皮や木の薄板などに文字を書いたことに由来していると言われています。

○本の始まり

古代では人間という生きた本が部族の歴史などを口伝で伝えていたようです。しかし、人間社会が発達するにつれ、人の記憶だけでは済まされなくなり、様々な記録媒体が登場するようになったとのことです。世界各地の文明が発生した場所で様々な書写材料が試みられるようになりました。

例えば、メソポタミアの粘土板上に記した楔形文字、古代エジプトのパピルスに書かれたヒエログリフ、古代中国の甲骨文字、インドなどの木の葉に記した文字、などなど…

日本で作られた本は、いきなり紙の本から始まったようです。日本にいつ紙が入り、製紙術が伝えられたのか定かではないようなのですが、現在残っている最古の本は7世紀初めの聖徳太子の自筆といわれる法華義疏であるとされているそうです。

世界各地のそれぞれの本の始まりがあるのですね。
でも、何か今の本のイメージとはまた一味違ったようですね。

■本とは何か

現在の本の定義とは、
・辞書によると、書籍、書物。
・社会的に情報を伝達・保存するもの。
・表紙があり、49頁以上で綴じられている。
・文字や図画を印刷している。
・出版している。
・持ち運べる。
といった感じのようですが、そういった本になるまでには、さまざまな歴史があったようです。

本になるまでの素材も様々で…。もう少し、深掘りしていきましょう。

○さまざまな本の歴史

■メソポタミア文明

「粘土」による絵文字を記すようになりました。
そのあと、楔形文字になっていきます。
楔形文字はメソポタミア文明で使用されていた古代文字で、文字としては人類史上最も古い文字の一つになります。その文字の特殊な形状から名付けられています。
粘土板には神話や寓話、世界で最も古い地図などが残っているのだとか。
大事なものは窯で焼いて丈夫にしていたそうです。

■古代エジプト文明

「パピルス」に書かれたヒエログリフによる本が登場。
パピルスは、カミガヤツリ(パピルス草)から作った紙で、ペーパー(Paper)の語源と言われています。ですが、一般的にイメージする今の紙とはまた違った感じのようです。
縦30センチの横長で、折り曲げには弱く、そのため何枚もついで、巻物を作っていたのだとか。長いものでは、エジプトで30メートルのパピルスの巻物があるそうですよ。
ヒエログリフは、古代エジプトで用いられた象形文字の一つです。
そのあと、ヒツジやヤギの皮からつくる羊皮紙(パーチメント)も主要な素材として置き換えられていったようです。
羊皮紙はインクが染み込みにくいので、書き損じは削って直せるという利点もあったのだとか。

■アジアでは…

ヤシ科の木の葉に書いた「貝葉(ばいよう)」を「本」の素材としていました。
貝葉(ばいよう)とは、ヤシなどの植物の葉を加工して、紙の代わりに用いた筆記媒体で、貝多羅葉(ばいたらよう)の略称です。

■黄河文明

古代中国では、亀の甲羅や牛の骨・青銅などに「甲骨文字」を刻んできました。
これらは儀式的な用いられ方がおおく、気軽に使い始めたのは「木簡(もっかん)」「竹簡(ちくかん)」の方なのだとか。
木簡とは、墨で文字を書くために使われた、短冊状の細長い木の板です。木簡に文章を一行ずつ書き、入らないときは広い板にしていました。そして長い文章は何枚もの木簡に書いて、ひもで編んでまとめて「本」にしていたそうです。とても重かったそうです。そして竹簡は、竹で作られたものとなります。

これらのお互いの短所を補うために、「紙」の発明へと…

○紙にも歴史が…

紙の明確な発明者は不明なようなのですが…
中国の蔡倫(さいりん)が改良発展させた製法がさまざまな地域に時間をかけて広がっていったとされています。
麻くず、魚の網、ぼろ布などの廃棄物の材料を植物の皮も入れて石うすで砕き、すのこですいて作る「製紙術」が発明されます。

この製法で作られた紙は仏教の伝来とともに、日本に入ってきました。
その後、国内での製紙も盛んになり、「流しすき」による和紙が生まれます。
和紙って何か独特ですよね。手触りとかも…
「紙すき」って難しそうだけど、一度やってみたいなぁ…と思う今日この頃です。

西洋にも紙の作り方が伝わり、ヨーロッパでも紙の本が作られていったようです。
そして、「本」にとって画期的な発明、活字による印刷が始まります。

現在では、紙またはペーパーとは、植物などの繊維を絡ませながら薄く平(たいら)に成形したもの。日本産業規格(JIS) では、「植物繊維その他の繊維を膠着させて製造したもの」と定義されているようです。

日本に製紙法が伝えられると、紙を継ぎ合わせて木の軸に巻きつけ、巻物にしたものが正式な文書として扱われるようになり、この巻物の形を「巻子本(かんすぼん)」といったそうです。
シリーズものの本を1巻、2巻と数える数え方は巻子本からきているのだとか。なるほど!
普段、何気なく使っている「○○巻」にもそういった由来があったのですね。

今回は、ここまでです。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。
かなり昔へのタイムスリップ! さまざまな伝え方の結果、今の本につながるのですね。
最近では電子書籍などもあり、本の読み方もさまざまになってきました。
どちらもうまく共存してほしいなぁと思う今日この頃です。

 

この度、またまたメンバーが増えました!笑

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仕事中! ありがとね~笑

 

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