『電算写植』ってなに⁉
2022/08/08
- 創栄文庫(組版)
こんにちは…第一製造部 IRIMOです。
8月も半ばとなりました。もうすぐお盆です。
お盆と言えば、大文字!
昨年は、コロナの影響でソーシャル大文字でしたが、今年は、3年ぶりに全面点火の大文字が行われますね。
この夏は、3年ぶりの行事が満載! 通常のありがたみをかみしめる夏となりました。
でもでも、まだまだ… しっかりとした感染対策も必要ですよね。
今回は、以前に紹介してました、『電算写植』について探ってみました。
実際に使用していたのは、電算写植機だったのですが、それまでの歴史にも触れてみようと思います。
なぜならば、写植組版の中には、写真植字機から電算写植システムへ…と歴史があったからです。
○そもそも「写植」ってなに…?
写植とは、「写真植字」の略で、その名の通り、写真技術を使った植字方法です。
文字を印画紙やフィルムに焼き付け、映し出す方法なんだとか。
そう言えば、電算写植機で組版をしていた頃、「印画紙」や「フィルム」といった言葉をよく耳にしていました! そういう仕組みだったんですねえ…今さらながら、納得!
○写植機の歴史
「写真植字機」:
和文タイプライターのしくみを写真の原理に応用したもので、光により文字像を操作し、印画紙やフィルムに焼き付けていたそうです。
このしくみにより、文字盤を変えるだけで簡単に書体を変えることができるようになりました。
電算写植システムと区別するために、手動(写植)機とも呼ばれていたそうです。
「電算写植システム」:
コンピュータを用いて、写真植字を自動化したシステムの機械です。
この電算写植のシステムは、Computer Typesetting System、略して、「CTS」と呼ばれていました。
またまた略語!…余談ですが、第一製造部にも以前は「CTS課」という課がありました。
○それぞれの歴史を経て、新たな技術が誕生!
・文字の大きさや字送り、斜体、長体や平体などの変形処理や、多様な写植書体が登場しました。
・また、文字サイズに活字の単位である、号数やポイントとは異なるメートル法が採用されました。
ミリを単位として、4分の1ミリ(0.25ミリ)を1級としました。(この計算は、今でも活用されています。)
・「一寸の巾」式の配列により、文字が読めなくても配列の見出しを覚えておけば、文字盤から文字を探し出すことができました(電算写植)。
熟練されたオペレータは現在のカナ漢字変換キーボードの数倍の早さで入力していました。
(漢字の読みが苦手なIRIMOでも、どんどん入力できる優れものなんですよ!)
電算写植…何だか懐かしく、そして歴史を感じますが…
(何年前のことでしょうかね~? それは、置いといて…)
歴史ということで、創栄図書印刷の電算写植の歴史を振り返ってみましょう!
使用していた電算写植機は写研製のものでした。
サザンナSW・SP➡グラフ・サイバート-P・シンギスといったように、電算写植の時代も機械がどんどん変化していきました。
【サザンナSW・SP】
・文字の配列も入力の仕方も、斬新でした。
画面では、文字のみ反映されます。保存のフロッピーは8インチ!
「一寸ノ巾」という配列により、見出しの順を覚えておけば、文字が読めなくても形で探しだせたり、変換がなくダイレクトに文字を打つことができるので、入力スピードも早かったんですよ~。あの頃は、原稿の入稿時に、データは一切なく、全て入力でした!
最初は、「どうやって打つん?」って思ってました。
という訳で、キーボードの一部を拡大してみました。写真左の30個のキーと右の赤枠の中の30個の文字が対応しており、同時に押すと、赤枠の中の文字が入力されます。
・8インチのフロッピーには、テキストと組版の指令のデータが保存されていて、それを組処理機にかけて、校正紙が出てきます。この段階になって、ようやく体裁が見れます。コーディングミスをしていると、この工程を何度かやり直すことになります。なので、なかなかの緊張感をもってコーディングをしていました。(コーディングってなにー!)
【グラフ・サイバート-P・シンギス】
・現在のパソコンと同様のキーボードとなり、画面(こちらは、昔ながらのブラウン管です…)で仕上がり通りのレイアウトが確認できるようになり、データの保存は、サーバやフロッピー3.5インチで管理されました。
・中でもシンギスは、カラーがそのまま組めるようにもなりました。
データはMOでも取り込めました。
今となっては、フロッピーなどが使いづらくなってきていますが、当時は画期的だったんですね。
ですが、現在ではカセットテープが時代を超えて注目されていると聞きます。(令和3年現在)
フロッピーにもそんな時がくるのかもしれませんね。くる? こない? こないかな…
今回はここまでです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
電算写植機は、現在も動かすこともあるので、がんばって動いてよ~!と祈る毎日です。
今回は、京都クイズ!
Q:「京都タワー」は、何をイメージして作られた?
①ろうそく
②ロケット
③灯台
正解は…③の「灯台」
えーっ! 「ろうそく」やないのー?
IRIMOは、即答ドヤ顔で答えましたが、長年の教えがブチ壊されました~。
誰ー?「そうそく」って教えたのー! 確かに、違和感はあったんですが。笑
京都市には、海が無く、瓦屋根を波とみたて、京都タワーが京都の街を照らす灯台とイメージされたそうです。
しかし東本願寺の近くであるという場所柄、ろうそくというイメージがついたようです。
そんな、京都タワーも最近では、いろんな色にイルミネーションされてますね。
その色は、紫、桃(桜色)、橙、青、赤、緑、黄の7色あり、ツートンの組み合わせもあるのだとか。
また、点灯には、啓発活動を込めた日や個人的な記念日など、その時々に意味のある色で点灯されているようです。
白ではない日を見かけたら、その日は何の日なのか、調べてみるのもいいかもですね…