『活版』ってなに⁉
2022/07/11
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こんにちは…第一製造部 IRIMOです。
7月になりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
今年は、3年ぶりに祇園祭も行われますね。
無病息災、皆様が元気な夏を迎えられますように…
さて、今回は前回に出てきていました、「活版」について探ってみました!
活版は、専門的「職人」の世界です。
鉛合金の1字1字の活字を並べ結束糸で縛るなど、手作業で版を作る為、職人さんの技術により、出来ばえが左右されると言われています。
○活版の由来
活版とは、1字1字、文字の組替えが自在にできたところから〈生きた版〉という意味で「活版」と名付けられたようです。
○活版の工程
活版の組版はどのようにされていたのでしょうか。
文選→植字→ゲラ(※)刷り
という工程を行っていました。聞きなれない言葉ばかりですが…
・文選とは…必要な活字を集める。
活字ケースから選んだ活字を浅い文選箱に入れる作業です。
・植字とは…集めた活字を原稿に従って配列する。いわゆる組版ですね。
集めた活字に「句読点」、「ルビ」、「記号」、「罫線」、「アキ」などを加え、行間・字間を整えて読みやすく配置する作業です。
数行ごとに、ステッキと呼ばれる植字箱に植字されたものをゲラ(組版したものを入れる薄い箱)に移しながら版全体を作り上げていき、1ページにまとめます。
・ゲラ刷りとは…校正刷りのこと。ゲラ刷りとも言われています。
少数部のものもゲラから印刷したようです。
※「ゲラの由来は、ゲラの箱が「Galley」という船の形に似ており、Galleyが訛って、「ゲラ」と言われていたそうな…。
ちなみに、日常を振り返ると今では、「ゲラ」って言ってないような…。
確かに、そういうふうに言うてたよねって感じです。
現場では、「校正紙」とか「出力紙」と言う比率が多くなってきてるかな~。
活版は、直接インクをのせて印字していました。
また、活字も文字の数だけ用意しなければなりません。
文字を一つ一つ並べていく作業なので、文字の抜き差しなどがあると、作業も難しかったそうです。
なるほど、職人の技が感じられますね。
○味のある活版
仕上がりが凸凹していて、いい感じなんですよ~。
(書籍の場合は凸凹するのはあまり良くないとか…ここも調整するのは職人技です!)
現在では、ハガキや名刺などに使われていることもありますよ。
文房具店でも見かけることがあります。
以外と身の回りにあるかも!です。チェックしてみてくださいね。
今回は、ここまでです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
活版は、アナログ独特の風合いや質感があり、再び注目をあびているようです。
また、探っていきましょう!
今回は、本の紹介です。
題して、「活版印刷 三日月堂」です!
活版にまつわるお話なのですが、感動もあり、読んでいくうちに活版印刷の仕組みも分かります。
IRIMOは自分が職人になった気分も味わっています(笑)。
全6巻、発売中です♪